昨年に引き続き、
鹿児島大学医学部保健学科の1年生120名に
「医療職に期待すること、望むこと〜患者の立場から〜」と題して
お話しをさせていただきました。
学生さんのまっすぐな視線にこたえられるよう、
熱く語ってきました。
素敵な看護師さん、作業療法士さん、理学療法士さんになってくれるのを楽しみにしています。
NPO法人がんサポートかごしま〜がんになっても「希望」をもって〜
鹿児島で活動している、がん患者さんと ご家族の患者会です。 お問い合わせ先:099−220−1888 |
昨年に引き続き、
鹿児島大学医学部保健学科の1年生120名に
「医療職に期待すること、望むこと〜患者の立場から〜」と題して
お話しをさせていただきました。
学生さんのまっすぐな視線にこたえられるよう、
熱く語ってきました。
素敵な看護師さん、作業療法士さん、理学療法士さんになってくれるのを楽しみにしています。
今日はがんサポートかごしまの事務局&がん患者サロンがある、鹿児島県民総合保健センターに
鹿児島大学医学部の1年生がやってきました。
5月末に三好が講義で体験談を話す機会を頂きましたが、その授業の流れです。
今日はがん患者さんの声を聴くという体験をしてもらいました。
上の写真のように、グループに分かれてもらい、そこに患者さんたちが1名ずつ座ります。
簡単な自己紹介のあと、自由に質問をしてもらい答えてもらう形式です。
もちろん答えたくないことは答えなくてもよいです。
それも含めて、医学部生には学んでもらいました。
患者さんも、未来のお医者さんのために熱心に話して下さいました。
聞き入る学生さんの目も必死です。
時には笑いあいながら、患者さんの声を聴きます。
患者さんによっては、初めて自分の体験を誰かに語る、という体験に涙される方も。
そんな姿はきっと医学部生にたくさんのことを教えてくださったと思います。
どうやってがんが見つかったのか、がんになってどんな思いだったのか、
家族に対してはどんな思いがあったのか、医療者に対してどう思った?
入院中はどんなことを考えていた?治療はきつかったのか、今はどう思っているのか?
たくさんの質問が行きかいました。
まだ1年生の生徒さんは、実習にも行っていないので、患者さんの声を聴く機会は
まだありません。これが初体験です。
こうやって今から医学を学んでいく生徒さんが、早いうちに患者さんたちの思いに
触れ合うことができるのは、とても良いことだと思います。
語ってくれた患者さんたちに感謝です。
そして真摯に向き合って患者さんたちの声を聴いてくれた生徒さんにも感謝です。
今日は授業の終わりには必ず患者さんと学生さんと握手をしてもらいました。
握手した人って、結構覚えているものですよね?
今日たくさんのことを学んだ学生諸君!
今日のこの思いを忘れないでほしい。
今から大変な学生生活がスタートするけれど、いろんな自信も積み重ねていくだろうけれど
今日のこの思いを忘れないでね!
こういった授業がずっと続くことを願います。
また来週は残りの60名がやってくるので楽しみです♪
私からは「がんと ともに 生きる」というテーマで、がんサポートかごしまの活動内容と自分のがん告知から今に至るまでの心と体の話。そして医療者に望むこと、といメッセージを伝える。今年で3年目になる授業。
講義形式って、どれだけ響くのか、正直自信はないところだけど
先生たちがおっしゃるには、こんなに静かに聞いている授業はまずないということ。
やはり生の体験を語る、聴くということはそれだけで大きなメッセージ性があるのかもしれない。
いろんな場所でお話をさせて頂くが、とりわけ医学部生にお話する時は、
医療者との関わりについてに重きを置いて話をする。
なぜ私がセカンドオピニオンを取りたいと思ったのか。
告知後、なぜ看護師さんの対応に傷ついたのか。
告知を受けてから、入院するまでの医療者には見えない日々をどう送ったのか。
どうしてあんなに落ち込んだのか。どうして部屋に引きこもったのか。
どうやって元気を取り戻したのか。
どうして主治医とあの看護師さんが大好きなのか。
そして、がん患者は病院だけでがんと向き合っている訳ではなく、
日頃の生活の中で、がんと向き合い過ごさざるを得ないことを伝えるようにしている。
「患者」ではなく「生活者」だとお話する。
座学では学べない患者の心理や生活がある。
だからこそ、サロンにも気軽に遊びに来てねと話すようにしているし、
命のリレーにもどんどん参加してほしいと伝える。
ある医学部生がサロンに遊びに来て言った一言。
「大学では、がん患者さんに家族がいること、経済的に大変な思いをしていること、
こんなに明るく過ごしていること、は教えてくれなかった。
サロンに出入りするようになって、初めて知った」。
医療者に望むことは、たくさんある。
治すことだけが医療じゃないってこと。
上から医療を与えるのではなく、一緒に考えてほしいこと。
あったかさを忘れないでほしいこと。などなど・・・
ひょんな出会いから医学部生に伝えるというチャンスを1年に1度いただけたことも
何かのご縁。
授業の最初にいつも学生さんに聞く。
「どんなお医者さんんになりたいですか?」
どれだけうまく伝えられているかわからないけれど、
学年が進んで臨床現場に出て、とても忙しくなり、
卒業して本物の医師になり、周りから「先生、先生」ともてはやされるように
なっても、医学部に入学した時の
「こんなお医者さんになりたい!」という夢や希望を忘れないでほしい。
患者さんの声を聴く時間がなくっても、
聴こうとする姿勢は、態度に出ると思うから。
ピチピチしたあの1年生たちが、本当のお医者さんになるのは、
はるか先のこと。
でもあの生徒さんたちが、白衣を来て、
「どれどれ?」と患者さんに向き合う姿を、この眼で見てみたいなあと
しみじみ思う。
がんばれ!医学生〜!